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グッコーの言葉

愛は喪失であり、断念である。愛は全てを人にやってしまったときに、もっとも富んでいる。

ドイツの作家、カール・フェルディナンド・グッコーの言葉です。


この言葉に同意しないわけではない。

ただ、そのもっとも富んでいることに満足できそうにない自分がいる。


何か大事なものを喪失し、断念した時、

心はきっと底なしに落ちこむだろう。



預金通帳の数字に0が7つも8つも並んでいる時のような満足感は湧き起こってくるのだろうか。

例えが下衆だったかもしれないけど、何かに「富んでいる」という事実は、人を喜ばせるのが通例である。


なのにグッコーの説く愛ときたら…、

断念して捨て去ることそのものが、すなわち愛であると言いたげである。

断念したことを後で人から褒められるわけでもなく、そこにあるのは純然たる空虚でしかない。

なんの見返りもなく、ましてや愛のために何かを断念したその相手が自分の送ったその愛を知らないことさえある。


しかしなんと純粋であることか。



愛のことはまだまだよく分からない私ではあるが、この純粋さのない愛が最高の愛でないことは確かなことのように思える。


悟りの境地=愛の高み=幸せな心境

などと捉えられがちなところではあるけれども、


何かを求めて愛したり精神修行したりするうちは、本当の幸せにたどり着くことはできないのかもしれない。

こんな風に言うと、愛するということが何か難しくて苦しいことのように聞こえるかもしれないけど、


私が思うに、愛というのは、

完全に近づけば近づくほど自分自身は楽になっていくような気がする。


ただ何となく思うだけですが。



ああ、私は今日一日どれだけ人を愛したんだろう…。


24時間もあったというのに、




5分を超える自信もない…。




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