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ジャーミーの言葉  「春の園」から

久々によい格言を見つけた。

ジャーミーという人の「春の園」という作品に出てくる言葉だ。



「しゃべったことより、しゃべらずにいたことのほうが力がある。」

とある。


自分の楽しみや喜びは胸に秘めていた方がより大きなものになる、なんていう意味ではない。

そう取れなくはないけれど。


そうではなくて、

口を出したいのをぐっと我慢して見守るとか、自分の気持ちを相手に吐き出したいのを抑えていま少し様子を見るとか、そういう場面を指して書かれた言葉だと思う。

例えば、自分の子供がスーパーで万引きをして親が迎えに行くような場合、口やかましく叱られるよりも黙っていられる方が子供にはこたえるような気がする。

夫婦や恋人同士の間でも当てはまる場面はかなりあると思う。



似たような格言は他にも色々あるけれど、これほどシンプルで、かつ、核心を突いた言葉はなかなか見当たらない。


あえて挙げれば、


しゃべって後悔することはよくあるが、黙っていて後悔することは決してない。

            シモニデス


沈黙という木には、平和という実がなる。

            アラビアのことわざ


沈黙は、人間の持つ最も優れた知恵である。

            ピンダロス



などの言葉がある。

シモニデスは紀元前6世紀の人、ピンダロスは紀元前5世紀の人です。ちなみに、紀元前4000年という太古の昔に残された言葉に「よどみない言葉より、沈黙の方が役に立つ」というのがある。これは古代エジプトのプタホテプという賢人(哲学者)
の言葉です。

昔から、口は災いのもとだったわけです。

口というよりは、手話や筆談(要約筆記)なども含めた「言葉」というものが災いのもとになるということでしょうね。


この手の格言は1000年後の世界でも通用しそうです。

それどころか、人間という種が存続する限り通用しそうです。


そういえば、新約聖書「ヨハネによる福音書」の一番最初の部分である第一章の第一節は「初めに言(ことば)があった。」となっています。

この後は、「言は神と共にあった。言は神であった。この言は初めに神と共にあった。すべてのものは、これによってできた。」と続きます。



なんとも厳粛な気持ちになってきました。


人間だけが持つ、「言葉」という奇跡的な伝達手段。

人を生かしもすれば殺しもする「言葉」。


そんな厳かなものなのに、

言葉は、いとも簡単に発することができる。


このギャップが、いろんなトラブルを巻き起こすことになるんでしょう。



「口と財布は軽々しく開けるな」(オリジナル名言 !?)

です。



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