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後藤田正純氏の行動は若気の至りか ??

グレーゾーン金利。

出資法(貸金業規正法と合わせてサラ金二法と言われています。)と利息制限法との間の矛盾の産物です。

どちらも利息の上限を定めてはいるんですが、上限金利がより低く設定されている「利息制限法」には罰則がない。

そんなわけで、「出資法」の上限金利である「29.2%」を設定する消費者金融会社やクレジット会社が存在します。

「出資法」の上限金利の規定に違反した場合は「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらの併科」という罰則があるので、「出資法」は守ろうとするわけです。

「27%」とか「29.2%」とかは利息制限法に違反する金利なわけですから当然無効となるべきなんですが、そこは貸金業規制法43条の「みなし弁済規定」という特例があって、債務者(借り手)が任意に利息を支払った場合(つまり同意して自分の意思で支払った場合)は本来無効な利息の支払いも有効になるということです。

でもこの「みなし弁済規定」が適用されるためにはいくつかの厳しいハードルがあるため、ほとんど適用されることはありません。

だから、借り手から「余分に支払った金利を返せ」と裁判を起こされれば、まず間違いなく金融業者側の敗訴に終わります。

弁護士や司法書士が行う「任意整理」という手続きは、この余分に支払った金利を返還してもらう、あるいは借金残高から差し引くための手続きなわけです。


さて、前置きが長くなりましたが、

最近衆議院議員である後藤田正純氏(水野真紀の旦那)がニュースになってるのは、この「グレーゾーン金利」をなくすための法改正に関わるものです。

後藤田正純氏が政務官を辞任したのは、この問題に対する金融庁の姿勢があまりにも金融業者寄りだったためです。

結論から言えば、私は後藤田正純氏に賛同します。

確かに金融業者にとって厳しい改正案が通れば、お金をサラ金業者から借りられなくて闇金業者に走る人も増えるかもしれません。

でも、闇金業者が多数存在していること自体がおかしいわけであって、その存在を前提にして議論を進めること自体がそもそも茶番じみている。

話を進める前に後藤田正純さんに関する記事を眺めてみましょう。

9月7日の「asahi.com」の記事から引用します。


☆☆☆

特例金利巡り辞職の後藤田氏、「金融庁に圧力」示唆

 自民党に5日提出された貸金業規制法改正の金融庁案に特例金利が含まれたことに反発して、内閣府政務官(金融・経済財政担当)辞職を表明していた同党の後藤田正純衆院議員が6日午前、与謝野金融・経済財政相に辞職願を提出し、受理された。その後の会見で後藤田氏は「金融庁が悪者にされてしまったが、本当は特例をつくりたい人が表に出て議員立法でつくるべきだ」と発言。金融庁に国会議員の圧力があったことを示唆した。

 後藤田氏は「大臣も特例に反対していた。大臣の言葉はそんなに軽いものなのか」と官僚たちの姿勢を批判。「今後は立法府から金融庁の政策を厳しく監視していく」と話した。

☆☆☆


巨大掲示板「2ちゃんねる」ではよく「日本終わった」という言葉を目にしますが、

今の金融庁案が通るならまさに「日本終わった」という感じです。

まるで「闇金は必要悪である」といわんばかりです。


厳しい改正案にしたら「サラ金業者に借りられなくなった借り手」が闇金に走ってしまうという理屈は根本的におかしいと感じる。


後藤田氏の政務官辞任がこの問題に一石を投じた形になりましたが、さて結論はどうなることやら。

確かに当座のお金に困った人にとっては闇金業者も天使に見えるのかもしれませんが、やはり借りるべきではない。

かえって追い詰められるのは目に見えている。

「特定調停」とかいう制度もあることですから、安易に闇金に走るのはいかにも愚かです。


「無知」は損をします。

「無知」は言い訳になりません。


生活全般に言えることですが、

「知らなかった」という弁解はすべきではない。


そんな世の中になってしまったんです。

これは仕方のないこと。


自ら動けばいくらでも情報は手に入る世の中です。

昔と違って「知らなかった」は通用しないんです。


高齢者の方には厳しい現実ですけど、これはもう受け入れていくしかありません。

積極的に自らを防衛していく姿勢が必要です。

情報を貪欲に求めることが必要です。


悲しいといえば悲しいことです。

なんでこんなことになってしまったんでしょうね…。



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