パニック障害の処方箋を求めて
心随万境転 …… 心は万境に随って転ず
転処実能幽 …… 転ずる処(ところ)実に能(よ)く幽なり
随流認得性 …… 流れに随って性(しょう)を認得すれば
無喜亦無憂 …… 喜びもなくまた憂いもなし
森田療法の創始者として知られる森田正馬の名言とされることもありますが、それは誤解です。
これは禅宗の第22祖にあたる摩拏羅(まぬら)尊者の言葉であって、森田療法の真髄を表す禅語として森田先生が時々引用したというわけです。
ちなみに達磨大師は第28 祖です。
2行目に「幽なり」とありますが、「幽」の意味は分かりにくいかもしれません。手元の古い漢和辞典で調べると、「幽」には、
①かすか、ほのか、ほんのり、はっきりしない
②奥深い
③奥深くてもの静か
④かくれる、ひそむ
⑤暗い、幽暗
⑥めいど、あの世、死後の世界
⑦陰気な形容
⑧とらえる、つかまえる
といった意味があるようです。何か微妙で奥深いというイメージですね。
よく考えたら「幽霊」という言葉にも使われています。
あとは「幽玄」とか「幽閉」かな。
冒頭の言葉の中では、精緻、微妙、細やか、滑らかといった意味で用いられていると思います。
要するに、「心」というものは、状況や環境の変化に従って精緻巧妙かつ自由闊達にその姿を変えていくということです。
「かくあるべし」という思いにとらわれ過ぎて心の自由な動きを制限することは、不毛な努力であり、ひいては神経症やパニック障害などの病気を発症させることにもなると思う。
高速運転がまだまだ十分にできない、パニック障害患者もどきの私ですが、
先日は、スパイラル的に不安感情が高まりそうになるのを「見つめる」ことによって止めることができました。
症状の本態を逃げずに真正面から見つめることによって、スパイラルが弱まったのです。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」といったところなんでしょうが、まだ正体は見極めてはいません。
でも、パニック障害で苦しむ人にとっては、一筋の光明となる発見だとは思っています。
是非、参考にしていただきたく思います。
なお …
パニック障害とネットのやり過ぎって、少なからず関係があると思う今日この頃です。
直接的な現実感と間接的な現実感がごっちゃになってしまうことが良くないような…。
この辺は、また日を改めて書きたいと思います。
では。