下村脩さんの名言
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子どもたちにはどんどん興味を持ったことをやらせてあげて。
やり始めたら、やめたらダメですよ。
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これは、蛍光たんぱく質の発見でノーベル化学賞を受賞することになった下村脩さんの言葉です。
後半の「やり始めたら、やめたらダメですよ。」という言葉が妙に心に響いたのでここに掲載することにしました。
朝日新聞の取材の中で、子どもたちへのメッセージとして語った言葉なのですが、これは子供大人関係なく耳を傾けるべきだろう。
「継続は力なり」という、どっかの予備校で見たような言葉も似たような意味なんですが、「やり始めたら、やめたらダメですよ。」という言い回しには不思議な説得力があります。
長く続けることがいかに大事なことかを言わんとしたのでしょうね。
オワンクラゲの発光メカニズムに長年取り組んだ下村さんだからこそ言い得た、まさに名言です。
ところで、下村さんが四十年以上前に緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見した当時、自力で光るタンパク質を初めて発見したということは確かに画期的なことだったのですが、特にその成果が生かされる道もなく、言ってみれば「それが何か?」といった状況だったらしいです。ニュースでも伝えられているように、賞や特許などを目的としない、まさに好奇心のなせる業ですね。物理学の分野なんかもそうですが、やはり研究者というのはこうであってほしい。
1962年にGFPを発見してから46年も経って受賞したというのも驚きなんですが、ノーベル物理学賞を受賞した南部さんと同様、どんなに昔の研究成果であっても、その現在における貢献度が甚大ならば受賞させるという方針なのでしょう。
しかしその方針を貫くなら、もっともっと昔に遡って受賞させるべき人が沢山いるはず。極端な話ですが、ニュートンやパスカルやメンデルなんかも受賞させるべきだ。まあ、生きているということが受賞の要件になってるんでしょうけどね。
なんにせよ、今回の受賞をきっかけに研究者のモチベーションが何らかの形で上がったことは想像に難くない。ノーベル賞を目指そうなどという人もそりゃいるだろうけど、むしろ、一般の人がまず興味を向けないような研究内容が世界的に宣伝され興味を持たれるということの効果が大きいと思う。自分が研究している対象が世間一般の関心事からかけ離れている内容だと感じるのは、きっと寂しいことだからです。
また、地道なオワンクラゲの研究がこんな結末を迎えるのですから、家族からウンザリされるような研究をしている研究者にとっては今回の下村さんの受賞で勇気付けられることにもなるでしょう。爪水虫の新しい治療法とかゾウミジンコの生態とか、たとえその研究がどんなものであっても、家族は今までとは何か違った目(尊敬の目?)で見るんじゃないかな?
さて明日は、このまさわキャンプ場に出発だ。
早く寝なくては。